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預金という法律行為

<預金という法律行為>

銀行に預金をするという行為は、法的に言って「消費寄託契約」と言います。
窓口に行って口座を開設する時や定期預金をする時、又はATMで入金する時の法的根拠はこの「消費寄託契約」に基づいています。

この「消費寄託契約」とは、例えばAという人が「種類」「品質」「数量」が同一の物を後日返還する事を約束して、Bという人からある物を預かる契約の事です。AはBから預かった物を後日、きちんと同一の物を揃えて返すというものです。つまりお金を対象とした取引に用いられる契約です。

寄託」というのは預かる又は保管するという事ですので、本来的にはAはBから物を預かって保管してBに返すというものですが、この契約は「消費寄託契約」ですのでAは預かった物をきちんと同一の物を返すという前提の下、自由に消費出来るという訳です。

更に言えば「消費寄託契約」で返還の期限を設けなかった時寄託したBはAに対し何時でもその返還を請求できるとされています。上の例は、Aという人が銀行でBという人が預金者になります。つまりお金をA銀行に預け入れたBは何時でもA銀行に対し、お金を請求できる権利があるという事です。

民法の世界ではお金を請求できる権利のある者を「債権者」と呼び返還する義務のある者を「債務者」と呼びます。つまりある意味預金者は銀行の「債権者」であると言えるのです。

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<お金を借りるという法律行為>

では預金者は「債権者」として、銀行にお金を貸しているのかというとそういう訳ではなく、微妙な違いがあります。銀行がお金を貸す時は「消費貸借契約」という契約に基づいて行われます。この「寄託」と「貸借」の違いが銀行に「お金を預ける」という行為と、銀行から「お金を借りる」という行為の違いなのです。

Cという人がDという銀行からお金を借りる時「消費貸借契約」を締結し、対象となるお金がCの銀行口座に振り込まれた時点で所有権は移転します。つまりCは債務者となり「消費貸借契約」に基づきD銀行に対して返済をする義務を負います。

そして返済できなかった場合の抵当権の実行や差押えの実行などを明確に謳っています。
これが銀行からお金を借りるという行為なのです。反対に、預金を銀行に預ける「消費寄託契約」は所有権は銀行に移転しないとされています。あくまで銀行に保管するという意味です。

ですので「消費貸借契約」は返還の期限を明確に謳っていない場合「相当の期間をもって請求する事ができる」と定められていますが、「消費寄託契約」の場合は「何時でも請求できる」としているのです。

この様に、銀行への預金や銀行から借り入れするという法的な根拠はかなり似通っており、その違いは微妙です。当然ながら銀行はお金を貸す時に担保や保証を求めます。
しかし預金者にはその様なものは一切ありません。つまり、預けた預金が帰ってくるかどうかはその銀行の信用力が担保になっているという事なのです。

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