歴史あるカードの行く末
クレジットカードの利用経験が長い人はUCカードの名前を知っている人も多いでしょう。このカードは、1969年に設立されたユニオンクレジットという信販会社が起源となっているカード会社です。現在は、セゾンに吸収合併されそれまで発行していたカードはセゾンに吸収されてしまいました。どうしてこうなったのでしようか。
古くから営業をしているクレジットカード会社の多くは、
信販会社が母体となっていました。設立時に銀行が入っているケースも少なくなかったのですが、主導権は信販会社にあったのです。
しかし、貸金業法の改正による総量規制や、
グレーゾーン金利の過払い金返還訴訟により信販会社の多くは体力が弱ってしまいました。
セゾンのように他の事業に依存できる信販会社は別として、単体で事業をしていた信販会社の多くは銀行の傘下に入りました。
UCカードも頑張っていた方ですが、2006年にセゾンに吸収合併されました。銀行傘下に入らなかったことによる是非はありますが、銀行系以外では大手のセゾンの傘下に入ったことで、カード自体のブランドを守ることはできました。現在のUCカードは基本的にセゾンが発行しており、ポイントのシステムもセゾン同様の永久不滅ポイントです。
現在のUCカードという会社は、正式には「ユーシーカード」という名前の会社です。
クレジットカードの発行はしておらず、加盟店の拡大とギフトカードの発行を事業としています。もともと営業項目のクレジットカードはセゾンに、融資事業はオリコに譲渡したのです。こうすることで、身軽になった現在の会社は事業継続ができるようになったのです。
一見会社が解体されたようにも見えるのですが、小規模なカード会社が単体で事業をするには、ショッピングモールやポイント制度の後ろ盾が必要です。これらの制度をマッチングすることで加入者数が増加しているのが現在のクレジットカード業界です。
しかし、このような戦略は会社自体の体力を消耗します。それよりは、無理なくできる現在の事業形態の方が有利なのです。