モラトリアムとは?
モラトリアムとは、債務の支払いを法令によって猶予することをいいます。
モラトリアムは社会的な責任を猶予することを意味することもあるため、大学などの学生生活の期間もモラトリアムと呼ぶこともあるようです。ただ、経済用語としてのモラトリアムの使い方をすることが多いです。
基本的に債務の返済においては返済期間が決まっています。
それが法令によって猶予させることができる例としては、戦争や天災などが挙げられます。
また、大規模な恐慌なども対象となっています。
日本において過去をさかのぼってみると、東日本大震災があります。震災時には当然ながら会社の経営などどうしようもない状態となってしまい、支払いどころの話ではありません。もしそんな時でも返済期間を守って支払えといっていたら、経済的な大混乱となってしまいます。それを避けるためにもモラトリアムがあるのです。
身近なことでは、例えば公共料金の支払いや携帯電話の料金があります。
震災の地域に住んでいる方を対象にモラトリアムが行われました。ただ、格付けの機関では債務者がモラトリアム宣言をすると、債務不履行と見なされてしまいます。
日本においてはモラトリアル法という法律が過去に施工されました。
金融危機や景気が悪くなったことによって企業の資金繰りが悪化したためです。
そのため、中小企業を対象としたモラトリアル方ができたのです。当初は2年間のみの実施としていたのですが、2年経過しても企業の業績は回復しないことから、さらに延長したのです。平成21年から平成25まで行われました。
さらに過去に遡ると、関東大震災や金融恐慌時にもモラトリアムが行われたことがあります。このように、モラトリアムは緊急的な対策となっていますが、できれば行わない方が良いのが事実です。企業としては猶予をもらうことで凌ぐことができるかもしれませんが、世の中として景気が悪いという事実は変わらないのです。